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◆コラム6:レプリカチラシに気をつけろ!

  改めて言うまでもないが、チラシには幾つか有名な「ニセモノ」が存在します。
※「ニセモノ」では、ちょっと言い方がキツいので、以後「レプリカ」(復刻)と呼ぶ事にします。
今回は、公にはあまり語られる事が無い「レプリカ」について、実物を交えて検証してみましょう。

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ここで書く内容は、人からの伝聞情報も含んでおり、100%確実との保証はできません。
真贋の判断については、自己責任でお願いします。
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まずは、有名なのが「大脱走」だ。
これの初版柄(赤茶色・横・W)なのだが、もし本当の本物なら数十万はする超レア物と見分けのつき難いレプリカがある。
実は自分も、数年前にこのチラシ売買に買う側として関係した事があるので、その時の経験を元に書くとしよう。
※ネットでの購入だったのだが、結果的にレプリカと判明したため、返品/返金にて円満終了となった。

この真贋判定は、本物とレプリカの両方を持つ人物のもとに自分の購入品を持ち込んで、自分の目で比較判断するという形で行った。

まず、一般的に見分けるポイントとされている「厚紙かどうか」だが、正直言って、本物は思ってるほど厚くなく、あまり判別の対象とはできない印象であった。
(「本物はプレスと同程度の紙厚」という説があるが、そこまで厚くなかった)
あと、一部には「本物はザラ紙」という説があるようだが、実際はツル/ザラといった違いはなかった。
では、見分け方のポイントは?というと、これがまた微妙で難しい。(それほどレプリカは出来が良いという事か?)
・本物とレプリカを比べると、レプリカのほうが赤茶色の色合いがやや薄い。
・裏面上部のロゴ(「史実に基づき・・・」の文)の長さが、レプリカの方が何故か微妙に長い。
 (文字間か、文字そのものの大きさに違いがあるのかも)
・中面に書かれている解説・物語の文字をルーペで拡大して見ると、本物は文字の縁が滑らかだが、レプリカは微妙にドットのギザギザ感が見える。
・レプリカは、左上の「総天然色 パナビジョン」の枠が微妙に曲がっている。(但し、肉眼では判別がかなり難しいかも)

このような違いは幾つかあるが、判断については
「本物と並べて比較しないと分からないな」というのが経験上の感想だ。
特にネットオークションでは、貼り出される画像や説明だけでは真贋判断は困難と思われるので注意が必要だ。
※可能であれば、信頼できる専門家に真贋鑑定してもらうというステップを取引に組み込むのが良いだろう。
 (ちなみに、私は真贋それぞれの画像・カラーコピー等を持ってないので、鑑定できません)

なお、この初版レプリカは、他にも色々な噂がある。
「これは72年リバイバル時のチラシだ」との説があるが、当時から映画館を巡ってチラシ集めをしている人に聞いても、この初版柄がリバイバル時に映画館にて配布されていたという事実は確認されていないのだ。
この関連で
・都内某店が、初版柄の原版を持っており、レプリカを製作した。
・リバイバル時に、このレプリカを「リバイバルチラシだ」と称して流通させた。
といった噂もあるが、本当のところどうなんだかは確証がない。

更に、大脱走というと、
リバイバル時のジャケットサイズチラシにもレプリカがある
こちらは「信頼できるショップで購入した本物」と「安く買ったレプリカとおぼしき物」の両方の画像があるので見てみよう。
※以降の画像は全て「左列=本物、右列=レプリカ」です。
見ての通り、レプリカのほうが、全体的に青みがかった感じがする。
マックィーンの着ているジャケットの色を見れば一目瞭然だ。

次は
「大空港」だ。これもレプリカが存在するが、かなり明確に違いが分かるので画像を見てみよう。
右は激安で購入したものだが、全体が白っぽく、細かい印刷文字も不鮮明なところがあり、下部の写真もボケている感じがする。
この位違うと、オークション画像等でも判断可能な範囲だろう。

次は
「ドラゴン怒りの鉄拳/空手アマゾネス」のカップリングチラシだ。
現在流通しているもののうち、ツル紙は都内某店が原版から刷った復刻版と言われている。
ザラ紙・色濃い・館名ありなら間違いなく本物だが、実際の市場流通度合いから見ると、むしろツル紙のレプリカのほうが多いような気がします。
オークションでも、レプリカ出品が圧倒的に多いが、画像を見れば一発なので留意しましょう。

さあ、続いて
「ローラーボール」も見てみよう。
見ての通り、裏面の色が決定的に違う。茶色が本物だ。
表も良く見ると、刷り色が微妙に違うし、館名部分が、レプリカはシネラマ色がカラーで、全体的に傾いた感じの印刷になっている。
なお、上記画像と違う「ボール柄」のほうも、裏色=グレーのレプリカがある。

もう一丁、「猿の惑星」関係も見てみよう。
まずは「征服」だ。
右側は「7月2日」となっている事から1977年と思われるが、77年には「征服」は公開されていません。
だいたい「征服」に対して「感動のロードショー」って謳い文句は有り得ないですね。

そして、「最後の猿の惑星」も行ってみよう。
※表がカラー柄のほうを対象にしています。
こちらは裏面の色が違うが、右側の「色=黒」&「7月21日・・・丸の内東宝」&「上映時間の印字無し」はレプリカだ。
表が4色刷りのほうにもレプリカがあるようだが、紙が妙に新しい感じがしたら、危ないかもしれません。

なんだかキリが無くなってきたので、そろそろ終わりにするが、他にもレプリカは色々あるものだ。
・「007ロシアより愛をこめて」のレプリカは、右上のロゴがボケボケ(一発で分かります)
・「007ゴールドフィンガー」のリバイバル版レプリカもあるが、黒色がくすんだ感じらしい(実物を見た事ないです)
・「ピンク・パンサー2」は裏ピンクが本物で裏黒はレプリカ
・「スティング」のリバイバルにもレプリカがあるが、原版から復刻させているので判別がちょっと難しい

自分はこういう情報を風化させないように、うっかり掴んでしまったレプリカも保存しているが、本物と信じているチラシの中にも、「実はレプリカ」のブツがまだ密かにあったりするかもしれません(汗)
という事で、今でも情報収集を怠るわけにはいきませんな。

'04.08.22追加記事
以前はサラっと最後に書いただけの「大陸横断超特急」について、画像を紹介します。
う〜ん、実物はもっとハッキリと色の違いが分かるんだけど、スキャンすると分かんないかな。。。。
上段の色が濃い(「赤!」と言える赤)のがレプリカで、下段のやや色が薄い(オレンジのようなピンクのような)のが本物です。
全体通して、「真っ赤っか」に見えたら危ないかも。。。?

 
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